2年前、私は「みんなの家・稲城長沼」の所長として、この場所に足を踏み入れました。
当時の登録率は60％にも届かず、施設は赤字続き。
会議に出るたび、胸の奥には重たい不安が押し寄せていました。

それでも、上長の方々はいつもやさしく声をかけてくださいました。
「焦らなくていい、大丈夫」――その言葉に、どれほど救われたことでしょう。
そして黒字へと転換できた日、「よく頑張ってきたね」とかけられた一言に、熱いものがこみ上げました。

自由に挑戦する場を与えてくださり、発想の翼を広げることができたこと。
あのときの信頼と支えに、今も心から感謝しています。

気づけば、この2年間で仲間は大きく増えました。
新しい社員さん、異動で来てくださったケアマネさん。
ゼロから一緒に考え、形にし、悩み、笑い合いながら過ごした日々は、私にとってかけがえのない宝物です。
「一人ではできないことも、仲間とならできる」――その喜びを噛みしめながら、今日も歩んでいます。

私自身の心境も、この2年で大きく変わりました。
父親になり、親も高齢となり、家族の存在がこれまで以上に大切に感じられるようになりました。
介護の仕事は誰かの人生に寄り添うことですが、それは同時に、自分の家族や未来の自分にもつながっている――そう実感しています。

そして10月10日、ALSOK介護の品質向上発表会に選ばれ、全社の場で発表させていただきました。
さらに11月14日には、ALSOK介護の代表としてグループ全体の競技会に挑戦することが決まりました。
2年前の自分を思い返すと、まるで夢のようで、支えてくださった職員や上司への感謝で胸がいっぱいになります。

今では稼働率は100％を続け、地域からの信頼も広がり、市役所主催のセミナー講師としてお声かけをいただく機会も増えました。
利用者様の夢や希望を共に叶え、その笑顔に出会うたび、「ここにみんなの家があってよかった」と心から思います。

けれど、この2年間はまだ通過点にすぎません。
これから先、私が描く未来は――
「みんなの家・稲城長沼」を、地域にとってなくてはならない場所にすることです。
誰もが安心して歳を重ね、夢を語り、家族のような温もりを感じられる居場所。
その未来を、仲間と共に必ず形にしていきたいと思います。

二年前に抱いた初心を胸に、家族や仲間、利用者様からいただいた学びを道しるべに、これからも歩み続けます。
ここまで支えてくださったすべての方に、心からの感謝を込めて――。
そしてこれからも、どうぞよろしくお願いいたします。